ハウスクリーニングの開業資金は最低でも200万円はかかります。費用を抑えるためには自宅を事務所にしたり自家用車を作業用の車両にしたりすることです。物件選びや黒字に経営のコツもまとめました。
エアコンや台所などを綺麗に掃除するハウスクリーニングですが、開業資金はいくらかかるのでしょうか?
今回の記事では、ハウスクリーニングの開業資金とその内訳について紹介します。また最適な物件選びや黒字営業をするためのコツもまとめています。
もくじ
1. ハウスクリーニングの開業資金
ハウスクリーニングの開業資金は初期費用とランニングコストに分かれます。
1-1. 初期費用と内訳
ハウスクリーニングに必要な初期費用は100〜600万円です。内訳として以下のものがあげられます。
・物件取得費
ハウスクリーニングを開業するためには拠点となる事務所が必要です。事務所には営業のために必要な電話やFAXやパソコンなどを設置します。テナントを借りる場合には、前家賃と礼金と保証金が必要です。事務所を借りる時には、家賃1カ月分の礼金と家賃6カ月分の保証金が必要となるため、家賃20万円の物件を借りれば200万円がかかります。
ただしハウスクリーニングの場合は、飲食店とは異なり常に接客することはありません。そのため機材がそろっているなら自宅を事務所として使用できます。
・車両代
ハウスクリーニングの仕事をするためには、掃除道具を運ぶ車両が必要です。すでに所有している自家用車を利用するか、中古の軽ワゴンや軽トラックを使用すれば、費用を100万円以下におさえられます。
・掃除道具
ハウスクリーニングの仕事に掃除道具は欠かせません。開業時に掃除道具一式を用意しておけば、スムーズに仕事ができるでしょう。ハウスクリーニングに必要な掃除道具には以下のものがあります。
・金属ブラシ
・高圧洗浄機
・床洗浄機
・送風機
・ポリッシャー
・スクイージー
・サンダー
ハウスクリーニングに必要な道具を全てそろえると100〜300万円ほどかかります。
1-2. ランニングコスト
ハウスクリーニングを開業するためには毎月かかるランニングコストも計算しておきましょう。ランニングコストは地域や店舗の規模によっても異なりますが、目安は10〜70万円です。ランニングコストの内訳は以下の通りです。
・消耗品費
掃除道具は使用し続けると劣化していきますので定期的に購入しなければなりません。また、洗剤も毎回の現場で使用するため定期的に購入する必要があります。1人で開業する場合は5万円、夫婦など2人で開業する場合は8万円ほどかかります。
・人件費
1人や夫婦で開業する場合は人件費がかかりませんが、スタッフを雇う場合には人件費がかかります。目安としてアルバイトなら毎月15万円、社員なら毎月25万円はかかるでしょう。もし社員を2人雇うなら50万円が人件費としてかかります。
・広告宣伝費
ハウスクリーニングの営業をするためには広告が必要です。掲載方法としては新聞のチラシ、タウンページ、インターネットのホームページなどがあります。宣伝方法にもよりますが、毎月5〜10万円はかかります。
2. ハウスクリーニングに必要な開業資金の調達方法
ハウスクリーニングは、飲食店などのように店舗を持つ必要がないため初期費用をある程度おさえることはできますが、それでも100万円以上はかかります。開業資金の調達方法として最適なのは自己資金を貯めることですが、難しい場合は以下の方法も利用できます。
2-1. 公的融資
公的融資の1つに日本政策金融公庫があります。日本政策金融公庫は民間の金融機関よりも融資の審査が易しく、なおかつ無担保無保証で融資を受けることもできます。
2-2. 資金贈与
家族や親族に理解を示してくれる人がいるなら、相続時精算課税制度を利用して親族の財産を税金なしで贈与してもらえます。贈与が難しい場合には、借り入れとして融資してもらうこともできます。
3. ハウスクリーニングに最適な物件の選び方
ハウスクリーニングは掃除現場での作業が中心ですが、事務所として使用するための物件選びは大切です。ハウスクリーニングに最適な物件を選ぶ際には以下の点に注意しましょう。
3-1. 物件選びの3つのポイント
・ライバル業者が少ない場所を選ぶ
ハウスクリーニングを開業する上で大切なことは集客です。ハウスクリーニングでは1人のお客さんに対して複数の業者が取り合うこともあるため、なるべくライバルの少ない場所を選ぶようにしましょう。
・法人、マンション、アパートが多い地域を選ぶ
集客方法の1つに法人や賃貸の大家さんに営業をかけることがあげられます。これらの場所は掃除箇所が多いため、一般家庭よりも高い単価で営業をかけることができます。そのため、住宅街よりもマンション街やオフィス街に事務所を構えた方が集客しやすくなります。
・ニーズのある地域を選ぶ
ハウスクリーニングは、主に女性や高齢者に注目されています。家事をもっと楽にしたい人、掃除が難しい場所をプロにお願いしたい人にニーズがあります。そのため、ファミリー層の多い地域や高齢者の多い地域に出店すればニーズの受け皿になれます。
3-2. 契約時の注意点
開業するための物件が決まったら、大家や管理会社と契約書を交わします。契約書にサインをしたら契約内容を変更できません。そのため、契約書の内容をよく確かめましょう。
特に契約の更新や解約をする場合には、何カ月前に連絡する必要があるのか、物件の設備に関して故障した場合にはどちらが支払うのかなどは必ず確認しましょう。
4. ハウスクリーニングで黒字経営するコツ
ハウスクリーニングを黒字経営するには、いかに集客するかが重要です。さまざまな方法がありますが、中でもチラシのポスティングとWebは効果的です。
チラシのメリットはコストがかからない点です。業者に依頼したとしても1,000部を3,000円ほどで印刷できます。チラシの反応率は決して高くはありませんが、誰でも簡単にできるためおすすめです。
Webに関してもチラシと同様に少ない予算で宣伝できます。自社のホームページを作成して受付フォームを用意しておけば、お客さんは気軽に依頼ができます。さらに文章だけでなく画像や動画も使用できるため、クリーニング中の画像や動画を貼り付けておけばさらに効果的です。
5. ハウスクリーニングの開業に成功した事例と年収
ハウスクリーニングの開業に成功した人の中には年収が1,000万円を超えている人もいます。
一例として仕事のスケジュールを上手に組み合わせたことで収入を増やすことができた人がいます。医療関係は土日が休日ですがヘアーサロンは火曜が休日です。飲食店は休日がないためオープン前の時間帯が比較的空いています。
つまりそれぞれの業種の都合のいい時間に合わせてクリーニングをすることで、効率的に仕事を行い結果として収入がアップしました。
6. 失敗しないハウスクリーニングの開業・経営方法の種類
ハウスクリーニングの開業・経営方法はフランチャイズ経営と個人経営の2種類があります。それぞれには特徴があるため、自分に合った方法で開業しましょう。
6-1. フランチャイズ経営
フランチャイズ経営とは、加盟金やロイヤリティを支払うことによって本部の持つノウハウやブランドを利用できる経営方法です。さらには、本部から顧客を紹介してもらえるため営業が苦手な人でも安心して開業できます。
6-2. 個人経営
個人経営とは、開業から営業に至るまで全ての事を自分で行う方法です。宣伝や営業などは全て自分で行わなければなりませんが、自分のペースで仕事ができるというメリットがあります。さらに加盟金などが発生しないため少ない投資費用で開業できます。
7. ハウスクリーニングの開業に必要な資格・許可
ハウスクリーニングの開業の際に必要な資格や許可はありません。そのため、誰でも事業が始めることができます。
新規でハウスクリーニングの事業を始める人については、個人事業の開業届が必要です。最寄りの税務署へ行けば開業届用紙を入手できるため、必要事項を記入して提出すれば完了です。
8. まとめ
ハウスクリーニングの開業資金は200〜900万円です。事務所を自宅に構えたり、作業用の自動車を中古で購入したりすれば費用を抑えられます。
ハウスクリーニングで成功するための秘訣は集客です。チラシによるポスティングをしたり、Webを使ったりして営業をすることで仕事を取ることができるでしょう。また、休日などの空いた時間を上手に利用すれば、収入アップにつながります。