ラウンジの開業資金は最低でも400万円は必要です。ただし店舗の地域や規模によっては金額も異なります。物件選びは人口の規模や特徴をチェックするのがポイントです。黒字経営に成功するコツも確認しましょう。
お酒や会話を楽しむ居心地の良いラウンジを開業するためには、どのくらいの資金が必要なのでしょうか?
今回の記事ではラウンジの開業資金の内訳や、資金の調達方法について紹介します。さらに黒字経営に成功するコツについてもまとめています。
もくじ
1. ラウンジの開業資金
ラウンジの開業資金は、開業の際にかかる初期費用と、運営する際にかかるランニングコストに分けられます。
1-2. 初期費用と内訳
地域や店舗の規模によっても異なりますが、ラウンジに必要な初期費用は、最低でも400万円はかかるでしょう。内訳としては以下のものがあります。
・店舗契約に関する費用
ラウンジを開業するための店舗契約では、敷金と礼金と前家賃を支払います。
一般的には、礼金と前家賃についてはそれぞれ1カ月分の家賃を支払い、敷金については6カ月~1年分の家賃を支払います。店舗契約をするためには、最低でも8カ月~14カ月分の家賃は必要です。
・改装費用
店舗契約した物件を改装する場合にはそれほど費用はかかりませんが、何もない状態から改装をする場合にはかなりの費用がかかります。
特にラウンジについては、ソファーやボックスシートを設置してゆったりとくつろげる空間を作る必要があるので、通常のバーの開業よりも費用がかかります。店舗の大きさや借りる店舗の状態にもよりますが、最低でも100万円は必要です。
・什器の費用
什器には冷蔵庫や製氷機、テーブルや椅子などが含まれます。さらに店舗を運営するためにはレジや伝票、店舗内やトイレの清掃道具も必要です。
またラウンジでは、通常のバーと同じようにお酒がメインで提供されます。そのため開業時にはある程度のお酒を用意しておかなければなりません。そろえたいお酒によっても費用は変わりますが、開業時には25~30万の費用が必要です。
1-3. ランニングコスト
ラウンジを経営する際にかかるランニングコストは、人件費を除いても最低40万円は必要です。
・家賃
毎月かかるランニングコストとして家賃があります。広いラウンジを経営するならば家賃も高くなるため、物件を探すときには家賃の上限を決めると良いでしょう。
・水道光熱費
ラウンジでは照明を使用したり、ドリンクやフードを提供したりするので水道光熱費もかかります。店舗の大きさにもよりますが、最低でも5万円はかかります。
・雑費
主な雑費としては、ドリンクやフードの仕入れ代金や材料費があります。ラウンジの中には食事にも力を入れているところもありますが、豪華な食事を提供する場合には材料費もかかるため、しっかりとした計画を立てましょう。雑費についても店舗によって異なりますが、最低でも10万円はかかるでしょう。
・人件費
ラウンジの多くは女性がシートについて接客する形態を取り入れているため、女性を雇うための人件費が必要です。地域にもよりますが、ラウンジの時給は1,500~3,000円です。
2. ラウンジに必要な開業資金の調達方法
開業資金を調達するための一番の方法は自己資金を貯めることです。自己資金は融資とは違い、返済の必要がないため安定した経営ができます。
自己資金を調達するのが難しい場合は、家族や親族に相談して資金を提供してもらったり、友人と共同経営をしたりするという選択肢もあります。
第三者から開業資金を調達する場合には、クラウドファウンディングや金融機関からの融資などの選択肢があります。
・金融機関による融資
民間の金融機関による融資では、新規の開業については断られる場合も多いため、日本政策金融公庫という公的の金融機関による融資を利用したり、各自治体が独自に設けている融資制度を利用したりするのがおすすめです。
・クラウドファウンディング
クラウドファウンディングとは、インターネット上でプロジェクトの内容と必要な資金を紹介して開業資金を寄付として募るものです。プロジェクトを紹介するための手数料はかかりますが、ラウンジの開業に賛同してもらえれば返済なしで資金を提供してもらえます。
3. ラウンジに最適な物件の選び方
ラウンジを開業する際には物件選びが重要です。内装についてはある程度の資金があれば変えられますが、物件は契約してしまうと変更できません。ラウンジに最適な物件を選ぶ際には3つのポイントを押さえておきましょう。
3-1. 物件選びの3つのポイント
・人口の規模
ラウンジに適した物件を探す際には、立地を調査しておくのが大切です。まずは周辺の人口規模や、最寄り駅の乗降客数をチェックします。それから一日の集客予想や売り上げ予想を立てますが、希望する物件の人口規模が集客予想よりも下回る可能性がある場合には、候補から外すほうが良いでしょう。
・物件周辺の特徴
また、物件周辺の特徴も考慮に入れます。どんな年齢層が多いのか、どんな職業に就いている人が多いのか、仕事の帰りや飲み会などで使用される可能性が高いのかをチェックします。
さらに物件周辺にあるお店についてもチェックします。居酒屋やバーなどのお酒を出すお店があれば、二次会に利用されることも多いため集客のアップが見込まれます。
・居抜き物件
新規にラウンジを開業する場合には居抜き物件を利用するのがおすすめです。以前にラウンジやバーとして利用した物件を借りれば、内装の費用も安く抑えることができます。さらに、開業に必要な什器類なども無料で譲ってもらえることもあるため、初期費用を安く抑えることができます。
開業時にまとまった資金があれば安定した経営を行うことができます。水道管や電気の配線がない物件を選んでしまうと、内装や外装の工事に多くの費用がかかるため注意が必要です。
3-2. 契約時の注意点
物件を契約する際に注意すべきことは、契約書の内容の確認です。サインをしてしまうと、契約内容を変更することは難しくなります。大家や管理会社とのトラブルを避けるためにも契約書はすべて目を通すようにしましょう。
契約の内容で不明な点があれば、すぐに質問しましょう。また契約内容に不満な点があれば、納得がいくまで話し合うようにしましょう。
4. ラウンジで黒字経営するコツ
ラウンジは通常の飲食店とは違い、ゆったりとくつろいだ雰囲気でお酒や会話を楽しむ店です。そのため、黒字経営をするためには充実したサービスが重要です。
従業員に目標を持たせて高い意識を持った接客サービスをするように心がけたり、来店したお客さんの情報管理をしたりします。また定期的なイベントを開催することで、ラウンジに通う楽しみを提供できます。
5. ラウンジの開業に成功した事例と年収
ラウンジを開業した経営者の中には、年収が1,000万を超える人もいます。
成功例として、お酒を提供するだけでなく、おしゃれな空間や居心地の良い雰囲気を意識することによって多くの固定客を獲得できたお店があります。
メニューも豊富で来店するたびにいろいろなお酒や食事を楽しむことができるような、飽きさせない店作りをすることが成功の秘訣です。
6. ラウンジの開業に必要な資格・許可
ラウンジは店のコンセプトによっても必要な資格や許可は異なります。一般的なラウンジでは、食品衛生法に基づいて飲食店営業の許可の届け出が必要です。
また、午前0時以降にお酒を提供する場合は深夜酒類提供飲食店営業の届け出も必要です。
さらに、新規で開業する際には税務署への開業届も必要です。
7. まとめ
ラウンジを開業する際には最低でも400万円の資金は必要です。開店直後は顧客を獲得しにくいため、数カ月分のランニングコストの資金も用意しておきましょう。
開業資金は自己資金を貯めるのが一番良い方法ですが、資金を増やすために金融機関やクラウドファウンディングを利用するのもおすすめです。
物件を探すときには周辺の人口の規模や特徴をチェックしましょう。初期費用を抑えたい人は居抜き物件を利用するのもおすすめです。