ガストにはかつて社外の一般人がフランチャイズ経営できる制度がありましたが、現在廃止されています。では、ガストでフランチャイズ契約をして独立するためにはどのような条件が必要なのでしょうか?またガストのようなファミリーレストランでフランチャイズ契約を行うにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
有名ファミリーレストランチェーンでもある「ガスト」。すかいらーくグループの1つで、有名チェーンであるためにフランチャイズ経営を行うことができるのではないかと思いますよね。ところがガストではフランチャイズ経営を行なっていません!
ではファミリーレストランをフランチャイズで経営しようと思っている方はどうすれば良いのでしょうか?今回はガストのフランチャイズ事情と、ファミリーレストランでフランチャイズ経営をしたいと考えている方のために、詳しい注意点についてご説明していきます。
もくじ
1. ガストのフランチャイズの特徴とは?
ガストは株式会社すかいらーく内のファミリーレストランの1つです。有名チェーン店で人気もあるファミレスですので、是非ガストでフランチャイズ経営をしたいと考えられている方も少なくはないでしょう。ところがガストでは、一般の方のフランチャイズ経営を禁止していました。
というのも株式会社すかいらーくでは、平成20年度から一般の方のフランチャイズ受け入れを廃止し、社員のみが店長としてお店を運営することかできるという規則を発表しました。現在、一般の方がフランチャイズ経営を行うことの方が主流となってきていますので、このような規則を発表している企業はかなり珍しいです。株式会社すかいらーくでは、店長を務めるベテラン社員を独立させてフランチャイズチェーン店を構えることを目的として始めました。この規則が発表された頃、流通業界では店長や管理職の待遇を見直す動きが広がっていったため、店長への優遇のためフランチャイズ経営を会社外から募集することを中止したわけです。
2. ガストのフランチャイズ店を出して独立する方法
先ほどにも少し出てきたように、ガストを経営している株式会社すかいらーくは店長としてある程度のキャリアや実績を残した社員をフランチャイズ独立させるという方針を発表しています。その理由としてマクドナルドの店長の残業代が未払いだったという事件が発覚したことから、ガストでも同様のことが起こっていました。そのため、ガストで働いている店長のために方針をこのように変更したわけです。
ガストでフランチャイズ店を出して独立するための条件としては、40歳以上の店長経験が10年以上の方と定めました。さらにそのような条件だけでなく店長として働いていく中で、経験に伴う実績というものも必要となります。例えばその実績としては、サービス向上による集客への努力やそれに対する売り上げ、営業利益目標達成状況などが関係します。店長として長く勤めていく中で、しっかりキャリアを積んで目標を達成することが重要というわけです。
ガストは店舗によっては24時間営業を行なっているところもありますので、店長を10年間もの間務めるということはかなり時間的にも体力的にも大変なことです。そこで理想的なキャリアプランとしては20代のうちにガストで社員を経験し、4〜5年で店長へとステップアップします。そして店長から更に10年間フランチャイズ経営を目標に設定しながら勤務を続けていきましょう。フランチャイズ経営ができるようになるまで最低でも15年程度勤務を続けることが必要というわけです。一見長いようにも見えますが20代のうちにガストへ入社しておくことで、店長になるのは大抵30代ぐらいで最終的にフランチャイズ経営をできるようになるのが40歳以上ですのでかなり理想的なキャリアプランであると考えることができます。
3. ガスト以外でフランチャイズ募集のあるファミリーレストラン
フランチャイズ募集を行っているレストランはそのほかにもたくさんあります。フランチャイズで飲食店というのは特に人気の高いものですので、フランチャイズ募集をかけているファミリーレストランを中心に例を挙げていきましょう。
・ほっともっと
・モスバーガー
・横浜家系らーめん「壱角屋」
・大戸屋
・とんかつ専門店 かつや
・ベーカリーレストラン サンマルク
・天丼 てんや
・まいどおおきに食堂
・丸源ラーメン
主に有名なファミリーレストランとしてはこのような会社がフランチャイズを行っています。ファミリーレストランに限らず、カフェなどにも視野を広げてみるとさらに有名なチェーン店などもあります。フランチャイズ経営を行おうと考えているのであれば、どの店で始めたいのかを事前に考えてから情報収集をすることもオススメです。
4. ファミリーレストランのフランチャイズに加盟する場合の注意点
ではファミリーレストランでのフランチャイズに加盟する場合のメリットやデメリットをご紹介します。
4-1. メリット
・有名ブランドをそのまま活用することができる
フランチャイズ全般に言えることではありますが、有名ブランドののれんをそのまま活用することができます。消費者からの認知度も高く、信用度も高いためお店をオープンさせてからの集客もスムーズだというわけです。
・研修や商品開発などを本部が行ってくれる
フランチャイズ加盟を行なっている企業は基本的に大手ですので、研修や飲食業に関しては商品開発なども全て本部が行っています。本部のノウハウを活用することができますので、飲食店での事業経験がないという方であっても安心して始めることができるでしょう。
・ロス率が低くなる
店舗によっては使用する野菜や肉類などを本部が事前にカットしておいた半完成品を使用している企業も少なくはありません。それを加盟店側が購入するという条件付きでロイヤリティを抑えて食材の利益を多くしています。これをすることで廃棄する食材を減らしてロス率と調理時間を短縮することができます。そのため、食材の無駄を抑えてお店の回転率を良くすることができるというメリットになるわけです。
4-2. デメリット
・契約期間や内容が厳しい
フランチャイズ契約には期間が決まっており、さらに契約の内容などによって揉めてしまうことは少なくありません。また、なんらかの問題によって閉店せざるを得なくなった場合には違約金を支払わなければいけませんし、何かと契約トラブルを生みやすいものでもあります。そのためフランチャイズ契約を行う際には、契約内容を事前にチェックしておくことが必要です。
そういった点ではガストのように社内でフランチャイズ加盟を行なっている企業では、契約に関する問題は発生しにくい傾向にあります。
・加盟金やロイヤリティの支払いが必要
フランチャイズ契約では本部に対してロイヤリティを支払う必要があります。ロイヤリティというのは権利に対する対価です。具体的な権利というのはお店のロゴの使用やノウハウの提供などを指します。各企業によってロイヤリティの支払い方や金額などは大幅に変わってきますが、そのような費用が発生してくるということは考えておきましょう。
5. ガストのフランチャイズ情報まとめ
今回はファミリーレストランチェーン店であるガストのフランチャイズ情報をまとめていきました。他の会社とは異なり、40歳以上の方で株式会社すかいらーくで働いている店長の中からフランチャイズ契約を結ぶというものでした。社外から募ることがほとんどなフランチャイズ契約としては珍しいことではありますが、このような形態もあるのだということを覚えておきましょう。
また、ガスト以外にもフランチャイズ募集を行っているレストランは数多くあります。独立志向のある方は加盟する際のメリット・デメリットも押さえたうえで、ぜひとも検討してみてはいかがでしょうか。