フランチャイズでの独立開業をする際には家族の同意が重要です。しかし、家族の中にはフランチャイズに関する知識不足のために不安を感じてしまう人もいます。5つの反対理由についてまとめました。さらに、反対した場合の対処方法についても紹介します。
フランチャイズへ加盟して独立開業をしようと思ったものの、妻や夫、両親が強く反対するということはよくあります。家族がフランチャイズでの経営に反対する理由には、どんなものがあるのでしょうか?
フランチャイズでの経営を成功させるためには家族の協力が不可欠です。フランチャイズの独立開業への反対理由や、家族が反対した場合の解決策を紹介していますので、役立ててみてください。
もくじ
①経験がないことによる不安
家族がフランチャイズでの独立開業に反対するおもな理由のひとつに、「経験がないための不安」があります。フランチャイズ経営をしたことのある友人や親族がいないために、正しいアドバイスができません。さらに、正確な情報がないために、「なんとなく不安」と感じてしまうために反対してしまいます。
経済産業省による「2017年版中小企業白書」のデータによると、企業を経営している人が約700万人なのに対して雇用者として働いている人は約7,000万人です。10人のうち1人しか経営者としての経験がありません。
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の報告によると、2017年度のフランチャイズの店舗数は約26万軒で、売上高は約25兆円です。前年と比較すると売り上げは4,000億円増えています。フランチャイズに関するデータを使用して、正しい情報を提供することも大切です。
②リスクへの不安
妻や夫や両親がフランチャイズへの加盟に反対する2つ目の理由は、「リスクへの不安」です。フランチャイズへ加盟するために、加盟金や保証金などの「初期費用」を支払います。業種によっては1,000万円以上の資金を用意しなければならず、貯金を崩したり、金融機関から融資を受けたりしなければなりません。そのため、家族によっては「大きなリスクを抱えてしまうのではないか」と不安に感じてしまうようです。
家族がフランチャイズへの理解を得るためには、フランチャイズのメリットについて説明しましょう。フランチャイズへ加盟して起業すると初期費用やロイヤリティなどの費用がかかりますが、代わりに経営に関するアドバイスやサポートを受けることができます。個人での起業よりもリスクが低いことを強調できれば、家族がフランチャイズでの独立開業について納得してもらえる可能性も高くなるでしょう。
③安定した収入を稼ぐことができないことへの不安
家族がフランチャイズへの独立開業を反対する3つ目の理由は、「安定した収入を稼ぐことができないことへの不安」です。日本では労働者の9割が「雇用者」として働いています。労働者は毎日出勤をすれば安定した収入がもらえるというイメージを持っていますが、経営者に関しては努力しないと収入が下がってしまうこともあるというイメージを持っています。
しかし、日本でも雇用に対するイメージは変わりつつあります。終身雇用という考えかたもなくなりつつあるため、雇用者が常に安定して働くことが難しくなっています。そのため、経営者だけでなく雇用者の立場でも安定した収入を稼ぐことは難しいといえるでしょう。
フランチャイズの多くは、ホームページ内で成功したオーナーの収入例を掲載しています。すべてのオーナーが同じように成功するとは限りませんが、オーナーと同じような意識を持てば安定した収入を稼ぐことは可能です。開業前に、経営に対する豊富な知識を持っていれば家族からの同意を得ることができる可能性も高くなるでしょう。
④失敗への不安
家族がフランチャイズの独立開業に反対する理由の4つ目は、「経営の失敗への不安」です。フランチャイズについて調べていくと「フランチャイズ店舗を廃業したケース」などがインターネットに掲載していることもあります。そのため、フランチャイズを経営しても「最終的には店をたたむことになるのでは」と感じて、反対することもあるようです。
中小企業庁による「中小企業者・小規模企業者の廃業に関するアンケート調査」のデータによると、企業経営者が廃業する一番の理由は「経営者の高齢化」や「健康の問題」です。さらに、廃業時の経営状況の約40%は「資産超過」で、約36%は「資産と負債が均衡」となっています。
廃業するオーナーの中には、経営は安定しているものの、年齢や体力が理由で廃業する人も多くいます。そのため、フランチャイズの独立開業に関して家族への理解を得るためには、正しい情報で判断してもらうことが必要です。
⑤家族と過ごす時間が減ることへの不安
家族がフランチャイズの独立開業に反対する5番目の理由は、「家族と過ごす時間が減ることへの不安」です。フランチャイズでの開業を考えている人の中には、主婦もいます。男性の中には、妻が外に出て働くことで寂しさを抱えたり、子育てを放棄してしまうのではないかと心配になる人や、開業によって夫よりも妻の収入が増えたり忙しくなったりすることを不満に感じる人もいます。
フランチャイズ経営を考える際には、まずは夫婦の価値観を確かめ合うことが必要でしょう。十分な話し合いを重ねることで、最終的には理解してもらえることもあります。フランチャイズの業種によっては、家族に経営のサポートをお願いすることで疎外感を取り除くこともできるでしょう。
フランチャイズ起業に反対された場合の解決策
フランチャイズに加盟して開業するための家族からの同意をもらうためには、十分な話し合いをすることが大切ですが、それでも家族が反対することもあるでしょう。そのような場合には以下の2つの方法をおすすめします。
進み具合を報告する
家族がフランチャイズの起業に反対した場合でも進み具合は報告しましょう。「説明会に行ってこういった資料をもらった」、「本部との面談でこんな話を聞いた」といった出来事を報告すれば、家族もフランチャイズの起業について自然と興味を持つことがあります。
家族に報告しないで事業計画を進めて、後戻りができない状況になってはじめて報告する人もいますが、夫婦間や家族間での緊張を生むことにもつながりかねないので避けましょう。
実績を作る
家族がフランチャイズでの起業を反対する場合には、自分の実績をアピールしましょう。現在の会社で営業の部署で働いている場合は、営業実績などをアピールすれば、独立開業をしても安定した収入を稼ぐことができることを証明できます。また副業などの経験をしたことがある場合は、どのくらいの収入を稼ぐことができたのかを証明できれば、家族からの信頼をもらうことも可能です。
自分の実績をアピールするためには収入を報告することが効果的ですが、残業手当による収入については、「長時間の勤務をすれば収入がアップする」ため効果はありません。
フランチャイズの独立開業が反対される理由と解決策まとめ
妻や夫や両親などの家族が、フランチャイズの独立開業に反対することもあります。反対する理由として、フランチャイズなどの経営に関する理解不足やリスクに対する不安などがあります。
フランチャイズでの経営を成功させるには、家族の理解は大切です。フランチャイズに関する正しい知識を伝えるだけでなく、進み具合の報告や働いている会社での営業成績をアピールすることで、安心感を与えるようにしましょう。