フランチャイズとネズミ講は混同されやすいビジネスですが、全くの別物です。今回は2つのビジネスの違いや、フランチャイズで独立開業を行う際のメリット、デメリットについて紹介していきます。
コンビニエンスストアやファミリーレストランなど、チェーン店の看板を借りて経営するフランチャイズ。これに混同されやすいものとしてネズミ講があります。これはマルチ商法とも言われ、違法行為に当たり逮捕者も出ている商法です。反面フランチャイズはビジネスモデルとして確立しているもので、ネズミ講とは異なります。今回はそんなフランチャイズとネズミ講との違いをしっかりと把握し、フランチャイズ経営を行なっていくメリットやデメリットに関しても説明していきます。
もくじ
1. フランチャイズとネズミ講の違いとは?
フランチャイズとネズミ講の違いを明らかにするためにも、それぞれの仕組みに関して理解を深めておきましょう。
1-1. フランチャイズの仕組み
フランチャイズとは、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどの有名チェーン店を経営している本社=親企業が、加盟店に商号商標の使用許可を与え、その看板を借りた経営を行なうことを指します。加盟店は親企業の看板を借りることができるので、宣伝活動などをする必要がなく、有名な企業のブランド力とノウハウ・仕組みなどをそのまま利用することが可能です。お客の目から見ればフランチャイズ加盟店かどうかの判断は難しく、親企業のブランド力で利益を上げやすい経営方法です。基本的に対象となるのは一般のお客さんであるため、ネズミ講とはそもそもターゲットが異なります。
1-2. ネズミ講の仕組み
ネズミ講とは、高額な会員費を支払わせて他人を勧誘、その勧誘した人に会員費の半分が、また残りの半分がグループの上位メンバーに分配されるというビジネス方法です。とくに1960〜70年代に横行しており、社会問題として当時世間を騒がせました。1978年には無限連鎖禁止法という法律が制定され、それ以降とくに厳しく罰せられるようになっています。しかし現在でも見えない部分でネズミ講は存在し、犯行が発覚して逮捕されることも少なくはありません。
ネズミ講は、似た商法であるマルチ商法とよく混同されやすいビジネスです。マルチ商法も勧誘することでお金を稼ぐ商法ですが、所属している企業が実際に販売している物を購入し、転売することで利益を得ます。その一方でネズミ講は高額な会員費を請求するものの、そこに物品は存在せず、グループの下位メンバーの会員費を上位メンバーが巻き上げることで組織が成立しています。そのため紹介を通して無限に会員が増えていくような錯覚をしますが、当然日本の人口には限界があるため、そううまくはいきません。マルチ商法が合法とされている反面で、ネズミ講は違法行為ですので、騙されることのないよう知識を持っておくことが必要です。
フランチャイズとネズミ講がどういうものなのかを説明しましたが、親会社が運営して加盟店あるいは会員が営業を始めていくという点で、両者は似ているのかもしれません。しかし、全く別のビジネスであることがわかりました。
2. フランチャイズで独立開業する3つのメリット
フランチャイズで独立開業を行うメリットを紹介します。
2-1. 未経験でも参入できる
フランチャイズは本社から様々なノウハウを教えてもらった上で経営を行います。通常、店舗を独立開業するためには、様々な知識が必要ですが、本社がそれを全てサポートしてくれます。さらに本社の研修をしっかり受けることができるので、未経験者でも開業が可能というわけです。
2-2. 本部のノウハウを知り、ブランド力を得られる
フランチャイズでは、仕入先や宣伝、販売促進方法など、経営していくにあたって必要となるノウハウを、全て本社から得ることができます。個人で始めた場合、そのようなノウハウは一切ないため、経営に必要なことは全て自分で勉強しなければなりません。また、フランチャイズを行なっている企業の店舗は、ほとんどが有名チェーン店なので、安定した収入を得られる可能性も高めです。ブランドの看板を掲げて経営できるので、集客に関する負担も減らすことができます。
2-3. 費用を抑えられる
個人で一から経営をスタートするより、フランチャイズで開業する方が費用を安く抑えることができます。開業にあたり、建物や設備などの費用は平均して800〜1,000万円ほどが必要となるものの、フランチャイズの場合は本部が負担してくれるケースもあり、初期費用を抑えられます。こういった本部からの支援を受けると、おおよそ300万円程度の開業資金で経営をスタートさせることができるので、500万円以上ものコストを抑えられるのはとても魅力的ですよね。
3. フランチャイズで独立開業する3つのデメリット
次は、フランチャイズで独立開業をする際のデメリットをご紹介します。
3-1. ロイヤリティを支払わなければならない
フランチャイズで経営する際、コスト面での一番のデメリットとして考えられるロイヤリティ。フランチャイズで経営のノウハウと広告、サービスや商品を提供してもらう対価として、月々に売り上げの数パーセントほどを支払う必要があります。これがロイヤリティです。このロイヤリティの額は企業によってまちまちで、場合によっては売り上げに問わず一定の額を請求してくる企業もありますので、事前に確認しておいた方が安心です。
3-2. 契約トラブルが起こりやすい
フランチャイズでは契約トラブルが発生しやすいというデメリットがあります。例えば、契約を終了してフランチャイズを辞めたあと、同じ業種の営業を行うことはできません。これは法律でも定められています。さらに契約を途中でやめたい場合も、違約金でのトラブルがフランチャイズでは起こりがちです。そのため、一度契約すると契約解除をすることが難しいという事を念頭に置いておきましょう。
3-3. 経営方針を自由に決められない
フランチャイズでは、ブランドイメージを守ることが第一ですので、経営を効率化させるために、経営方針を経営者が自由に決めることはできません。経営方針はもちろんのこと、仕入先企業なども基本的に決まっているので、初心者にとっては良い条件ですが、自由に経営をしたいという方には少し不便だと感じられる要素です。
4. フランチャイズとネズミ講の違い、そして独立開業の注意点まとめ
今回はフランチャイズとネズミ講の違いと、フランチャイズで独立開業を行う際のメリットやデメリットを説明しました。ネズミ講は法律でも違法とされているので手を出してはいけないビジネスですが、フランチャイズは親会社から様々なノウハウを得て経営していくというスタイルです。そういった違いを踏まえた上で、フランチャイズでの経営を検討してみてはいかがでしょうか。