近年人気が高まっているボルダリングジムの開業にはどのくらいの資金が必要なのか、その費用や必要設備について具体的に紹介します。
「ボルダリングジムの開業がしたいけれどどのくらいの資金が必要なのかわからない」
そんな人も少なくないのではないでしょうか。
ボルダリングとは岩を掴んで登っていくこと。
近年では室内でもボルダリングができる設備も増えてきており、女性や子どもでも取り組みやすいことから人気が高待っています。
今回はそんなボルダリングジムを開業してみたい、という人に対してその具体的な開業資金と必要な設備についてお伝えします。
もくじ
ボルダリングジムの開業資金
ボルダリングジムを開業するためには最初に必要になる資金が多いですが、ランニングコストはそれほどかからないことが特徴です。
ここではボルダリングジムの開業に必要な初期費用とランニングコストについて詳しく見ていきましょう。
初期費用と内訳(設備)
ボルダリングジムでかかる初期費用はジムの大きさによって変わります。
ボルダリングジムで必要な設備は以下の通りです。
・壁
・ホールド
・マット
壁というとどこにでもある印象もあるかもしれませんが、その壁を使って登るとなると安全のためかなりの耐久性を求められます。
ホールドとはボルダリングで登るのに掴む人口の石のこと。
このホールドも壁にしっかりとボルトで固定し取れないようにします。ただし無理な力がかかると緩んだり外れたりする可能性もあるため、定期的な安全点検が欠かせません。
またボルダリングではマットも必要です。
どうしても落ちてしまうため、落ちても衝撃を吸収するマットの存在は欠かせません。
このマットは消耗品のためいずれ買い換える必要があるため、費用だけにとらわれず耐久性が高いものを選びコストパフォーマンスがよいものを選びましょう。
必要に応じてレンタルできるシューズなどの道具も必要になります。
最低限以上のものがあればボルダリングジムを開業することは十分に可能です。
次にボルダリングジムの開業に必要な金額について詳しく見ていきましょう。
その場所の広さや設備の充実度によって変わりますが、ボルダリングジムの開業には1000万円から5000万円ほどかかると考えればよいでしょう。
というのもボルダリング用の壁の設営には耐久性と安全性の両面が求められるため、どうしても設備を整えるためにある程度の金額が必要になります。
特に初期投資で価格差が広がりやすいのが場所の広さです。
都心の方が場所の確保が難しくどうしても費用が高額になります。
ボルダリングには欠かせない壁とホルダーの施工費用が特に高額なため、広ければ広いほど費用がかさみやすくなってしまいがちです。
郊外であればボルダリングで必要な広さが確保しやすいですが、その分施工に費用がかかります。
場合によっては5000万円以上かかることも十分に考えられます。
大まかにボルダリングジムの設営にかかる費用は以下の通りです。
・壁とホールドの設営費用 1000万〜4000万円
・マットにかかる費用 10万〜
以上を見ても分かる通り、ボルダリングジムにどのくらいの壁を設営するかによって費用は大きく変わります。
施工業者によっては、難易度にも配慮して施工してくれるところもあるためそうした施工業者にお願いするのがよいでしょう。
ランニングコスト
ボルダリングジムでは初期投資が高くついてしまいがちですが、ランニングコストはそれほど高額にはなりません。
一度設備を入れてしまえばその管理に注力すればよく商品の入荷などの手間がほぼないためです。
そのためボルダリングジムは安いところで1回1000円なんてところも。
ランニングコストは大まかに以下の3つの費用がかかります。
・人件費
・家賃
・光熱費
・レンタル費用
飲食店や小売業などと比較すると、ボルダリングジムでは仕入れ代などがほとんどかからないことが特徴。
初期費用を少しでも抑えたい場合には、ボルダリング用品のレンタル費用もランニングコストに含まれます。
自分の資金と相談してどのように費用を配分するか決めるとよいでしょう。
ボルダリングジムに適した物件の選び方
ボルダリングジムで物件を選ぶときには2つの選択肢があります。
・都心のアクセスがよいところの場合
・郊外で広く開設できるところの場合
上記のどちらの選択肢を選ぶかで、物件の選び方も変わりますよ。
では具体的にその選び方について見ていきましょう。
都心のアクセスがよいところの場合
都心のアクセスがよいところでボルダリングジムを開設する場合のポイントは以下の通りです。
・アクセスの良さ
・家賃
・広さ
・高さ
・給排水のインフラはきちんとあるか
・ビルの場合耐床荷重の問題をクリアしているか
ボルダリングジムを開設する場合にはどうしてもある程度の広さや高さは必要になるため、家賃がネックになりやすいです。
ただし郊外に購入する場合よりは広さが小さくなるため初期投資は抑えられる場合もあります。
都心のアクセスがよいところで開業すると集客効率が高いため、自己資金に余裕があるのであれば、利益を出しやすいと言えるでしょう。
ただしビル内部でボルダリングジムを開業する場合には耐床荷重の問題があります。
詳しくは後でお伝えしますが、物件の条件によってはボルダリングジムの設営そのものが不可能な物件もあります。
最初に確認しておかなければ大きなトラブルに発展することもあるため、必ず確認してください。
郊外で広く開設できるところの場合
ボルダリングジムを郊外で開設する場合は、建物を広くしやすいことが特徴です。
ただし車で来るお客様も増えるため、駐車場の確保が必要になります。
倉庫などの土地を利用することができれば高さを活用してより上級者向けの設備を設営できます。
そのため自身がボルダリング協会に加入している場合や、ある程度経験がある場合に郊外での開業がおすすめだと言えるでしょう。
ただし用途地域の内容によっては開業できない場合もあるため確認しておいてください。
ボルダリングジムの規模による物件契約の注意点
ボルダリングジムを契約する場合にはその契約する立地によって注意するべき点があります。
その内容をよく確認しないまま契約してしまうと、「実はボルダリングジムの開業ができない場所だった」なんて悲惨なことにもなりかねません。
・ビル内部の場合には耐床荷重に気をつける
・郊外の場合には用途地域を確認する
ボルダリングジムを開業するには上記の2点は必ず確認しましょう。
ビル内部の場合には耐床荷重に気をつける
ボルダリングジムをビルの内部に設営する場合には耐床荷重を確認しましょう。
ビルの中では耐床荷重といってその床を傷つけないために耐えられる範囲の重量が定められています。
耐床荷重はその床1平方メートルあたり300kgというのが耐床荷重の一般的な数値ですが、そのビルごとに異なりもっと小さい場合も。
上限を超えてしまうとその機材を設置することができなくなります。
ボルダリングジムを開設する場合にはどんな機材を置くのか、どのくらいの重量があるのかよく確認しなければいけません。
郊外の場合には用途地域を確認する
ボルダリングジムを郊外に開く場合には用途地域を確認する必要があります。
この用途地域の内容によってはボルダリングジムを開設することができません。
最終的には行政の判断になり、その判断基準が異なるケースもありますので、何れにせよ一度確認する必要があります。
ボルダリングジムに最適な集客方法
ボルダリングジムの開業でおすすめできる集客方法は以下の通りです。
・折込チラシ
・ホームページやSNSの活用
・口コミ
・イベント
それぞれの集客方法のメリットやデメリットをここでは詳しく紹介します。
・折込チラシとポスティング
折込チラシやポスティングは集客におすすめできる方法です。
チラシというともう役に立たないのではないか、と考える人もいるかもしれませんがそんなことはありません。
特に資金力があると、一度に広い範囲にアプローチできるためおすすめです。
折込チラシに割引クーポンをつけることでも集客効果を高められますよ。
・ホームページ
ホームページやSNSを有効活用するのもおすすめです。
ただしホームページで集客効果を高めるためには定期的な更新が必要になります。
ただしホームページを作成するのであれば、定期的な更新が欠かせません。
いくらお金をかけてデザインしても更新し続けなければ、そのホームページでの集客効果は大きく下がります。
そのため定期的な更新が苦手だという人にはお金ばかりかかってしまうためあまりおすすめできません。
・口コミやSNS
口コミやSNSは今大きな影響力を持っています。
特に口コミはその会社が関係しない第三者からの情報発信のため信頼されやすいです。
ただし自分から主体的にアプローチできるわけではなく、効果がではじめるまでにもある程度時間を必要とします。
とはいえ口コミをそれとなく促すことはできてもそれはお客様の満足度があってはじめて成立するものですよね。
まずはお客様にとって満足度が高いジム作りを心がけることが大切なのはいうまでもありません。
特に競合が多いほど比較するために、口コミの情報を参考にする人が増えます。
こうした場合にはより口コミの重要度が高まりますよ。
・イベント
集客するためのイベントを打つのもおすすめです。
この場合には以下の点を考えてみるとよいでしょう。
・その地域にはどんなお客様がいるのか
・今いるお客様にアプローチするのか新規のお客様にアプローチするのか
予算が必要なものであればあらかじめ、その費用を見ておきましょう。
ボルダリングジムの市場動向と将来性
ボルダリングは現在多くの人に注目されつつあります。
その要因には以下のものがあるでしょう。
・特別な道具は必要ではなく女性や子どもでも気軽に始められる
・ルートや身体の動かし方も重要なため頭を使う競技
・難易度に違いがありシンプルに目標設定できるため達成感を感じやすい
・一人でも大勢でも楽しめる
・料金が安く気軽に始められる
2020年のオリンピックでクライミングが競技に加わりその関心が高まっているのも伺えます。
日本でもプロクライマーが増えており、そうした人も増えてくるかもしれません。
中には自宅の中にボルダリングのホールドを導入する人も。
そのため確実にニーズは存在していると言えるでしょう。
ボルダリングジムは初期費用こそ高いものの、ランニングコストがそれほど高くありません。
さらに現時点では特別な資格なしで始められ、かつ一度作ってしまうと経営がしやすいため、徐々に参入する人も増えてきました。
ただ注意するべきなのは参入する人が増えてくると、競争が激しくなってくる可能性も。
今後ボルダリングジムは増えてきますし、より質の高いものを求めるお客様も増えることが予想されます。
ただ現時点では競合がそれほど多いわけではありませんし、初期投資の問題だけ解決すれば十分に参入する余地があると言えるでしょう。
ボルダリングジム開業の成功事例
ボルダリングジムの開業で成功した事例では最近ではLINE@を活用しうまく集客につなげた事例があります。
LINE@は企業などがLINEで友達登録してくれた人に対して一斉に情報発信できるツールです。
情報発信だけではなく、ショップのポイントカードを中に使用することもできるため、うまく活用することでお客様のポイントの効率化や分析にも生かせるツールになっています。
以下のような人におすすめです。
・リピーターを増やしたい人
・既存のお客様で来なくなった人に再度アプローチしたい人
・手軽に利用できる分析ツールが欲しい人
・定期的にイベントを開催する予定がある人
上記のような人はLINE@を活用することで、効率的な集客が行えますよ。
ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はボルダリングジムの開業資金について詳しくお伝えしました。
ボルダリングジムの開業は最初の設備投資に費用がかかりますが、ランニングコストはそれほどかかりません。
ボルダリングジムはその需要が高まっていますが、参入している人は現状まだまだ少ないと言えます。
ボルダリングジムの開業を検討している人は、ボルダリングジムの開業ができる土地探しからはじめてみてはいかがでしょうか。
できるだけ早めに開業すると競合が少ないため利益を出しやすいですよ。