住宅用設備機器最大手企業のLIXILとのフランチャイズ契約ってどんな内容? メリットとデメリット、フランチャイズ契約までの流れなどを詳しく解説しています。
現在、住宅用建材・設備機器や不動産業などの業界でフランチャイズ化が進んでいますが、その中でもLIXILはさまざまなメーカーを傘下に持ち、多くの事業を展開するフランチャイザーとしても成長を続けています。
ここでは、LIXILのフランチャイズ契約について詳しく解説していきます。
もくじ
1. フランチャイズ展開しているLIXILの基本情報
2011年に日本国内の主要な5社の建材・設備機器メーカーが統合してできた住宅用設備機器最大手企業で、2001年にトステムとイナックスが設立した共同持株会社イナックス(INACS)トステム・ホールディングスを母体としています。
それ以降GROHE、American Standardなどの世界的ブランドも傘下に収めています。LIXILは日本のものづくりの伝統をもとに、世界をリードする技術と革新力で、高品質な製品をグローバルに幅広く提供しています。
本社は東京都千代田区霞が関にあり、住宅資材と住宅設備器のメーカーであると同時に、販売や関連するサービスも提供しています。統合した会社のブランドも所持しており、アルミサッシと水回り製品のシェアはトップクラスとなっています。
LIXILは現在、世界150以上の国で70,000人以上の従業員を擁するグローバルな企業へと成長しました。
2. LIXILのフランチャイズに関する口コミ・評判
LIXILのフランチャイズで独立し、経営者として活躍しているオーナーの、LIXILに関する評価はどのようなものがあるのでしょうか? ここではLIXILグループの一つであるセンチュリー21と、LIXIL不動産ショップを経営しているオーナーの方の口コミを紹介していきます。
・LIXIL自体の基盤がしっかりしていて、経営していく上でのサポート体制もきちんと構築されているため安心して経営に打ち込むことができます。不動産という商品を扱う事業の内容が精査されており、システム化、マニュアル化がなされているため、不動産に関連する事業の経験が浅い人でも十分活躍できると思います。
経営を行っていくうえで疑問に感じたことには丁寧なアドバイスをしてもらえるため、その点もこのフランチャイズチェーンに加入する魅力の一つです。
・有名なケイン・コスギをイメージキャラクターとしたCMを流しているため、知名度が高く、集客にあまりコストがかからないことが魅力の一つです。フランチャイズオーナーや従業員に対する研修プログラムも全部で21種類あり、初歩的な内容からマネージャー向けのものまでプログラムが充実しているため、自分のスキルアップにもつながります。
不動産を扱う事業なので、土地勘がある地元での開業に非常に向いていると思います。
・本業は物件のリフォームでしたが、お客様の不動産に関する案件に対してお役に立てず、残念な思いをしたことがありました。不動産業も始めたいと思いましたが、自分ひとりの力では難しいと考え、数あるフランチャイズの中からERAに加盟しました。
本部が的確な指導を行ってくれるため、今後事業を続けていくうえで課題が明確になり、方向性も決めやすくなります。
3. LIXILのフランチャイズは儲かる?年収は?
LIXILは主に法人とフランチャイズ契約を行うため、個人事業主としてフランチャイズ契約を行うケースは少なくなっています。よってオーナーの年収というものは公開されていません。
ですが、LIXILとフランチャイズ契約を行っている法人の求人内容を見ることによって、その法人が利益を十分に上げているかどうかを判断することができます。
栃木県宇都宮市のとあるLIXIL不動産ショップでは、月給220,000円から300,000円+インセンティブ+諸手当という条件で求人を出しています。LIXIL不動産ショップに来店されたお客様への対応という仕事内容ですが、第二新卒も応募可という条件になっています。
宇都宮市の20代前半の平均年収が3,023,000円ですので、LIXIL不動産ショップの年収はインセンティブや諸手当を含めると十分に平均年収に届く金額になります。そのため、LIXIL不動産ショップとしてフランチャイズ契約を行っている法人の経営内容は、決して悪いものではないといえるでしょう。
また、LIXILのグループ企業であるマドリエとフランチャイズ契約をしている福岡県うきは市のとある法人では、アルミサッシの製品チェックや積み込み、お客様への商品のお届け・取り付けなどの業務を行う求人が出ており、月給は180,000円からとなっています。賞与も年二回、諸手当も支給されることから、うきは市の平均年収2,680,000円を下回ることはないでしょう。
このように、LIXILが展開している各事業においてフランチャイズ契約を行うことで、十分に利益を上げることが可能であるといえます。
4. LIXILにフランチャイズ加盟する6つのメリット
4-1. 最新技術を結集した商品の販売が可能
LIXILは、技術的に優れているだけではなく、国策や環境問題、市場環境の変化などを見据えた製品の開発に努めています。このような最新の商品を販売することができるため、お客様に質の高い住環境をお届けすることが可能です。
4-2. 低価格で製品の仕入れが可能
LIXILグループとフランチャイズ契約を結び、LIXILグループの一員となることで、業界最安値で製品を購入することが可能になります。
4-3. 加盟店経営をサポート
長年にわたるフランチャイズ事業で培った成功事例と失敗事例という経験をもとに、安定した経営を目指して訪問指導を実施しています。経営計画の作成や、集客イベントの企画、初回面談での最善の手法のレクチャー、施工管理により無理、無駄、ムラをなくす方法などをトータルでサポートしています。
4-4. 研修により従業員のスキルアップを目指す
入社時に受ける基本研修をはじめとして、安定した受注を受けるための営業研修、原価管理力や現場品質向上に有効な工務研修などが行われます。また、リーダーとしての役割と心構えを学ぶためのリーダーシップ研修、店長や後継者などには、経営を行う上で欠かせない知識を身につけるためのマネジメント研修など、必要に応じてさまざまな研修を受けることが可能です。
4-5. 業務内容を一気貫通で管理するITシステムの提供
独自のITシステムを開発し、それによりフランチャイズ加盟店をサポートしています。「営業系システム」と「工務系システム」の2つのシステムにより、業務効率を大幅に改善し、お客様へのより良い提案を実現します。
4-6. PR媒体は本部が用意
カタログやポスターは当然として、チラシやダイレクトメール、アプローチブックに至るまで本部が作成しているため、各店舗で作成する必要がなく、フランチャイズ加盟後はすぐに加盟店として活動することができます。
5. LIXILにフランチャイズ加盟する3つのデメリット
5-1. LIXILグループ指定の資材以外は使用が難しい
LIXILとのフランチャイズ契約を結んでいる以上、他のメーカーの資材を使用することには制限があるため、お客様からの要望であっても応えられない場合があります。
5-2. 独自の発想を活かしにくい
LIXILとフランチャイズ契約を行うと、業務や製品の標準化が求められます。そのため新商品に対する新しいアイデアや、業務改善方法など新しいことにチャレンジしにくい環境になってしまいます。
5-3. 本部の弱体化のあおりを受ける
LIXIL本社の業績が好調なうちは良いのですが、もしLIXILというフランチャイジーが弱体化した場合、フランチャイズに加盟している法人はその影響をまともに受けることになります。フランチャイズ契約を結ぶ際には、LIXIL本社の将来性などを精査し、納得してから加盟するようにしましょう。
6. LIXILのフランチャイズ条件・契約内容
ここではLIXILリフォームショップに加盟する際に満たす必要がある条件を挙げていきます。
その必要な条件とは、店舗住所での建築工事許可を取得すること・またはしていること、建築士を1名以上配置できること、LIXILリフォームショップ専任の担当者を配置すること、その他規定に沿った店舗看板の設置や事業専用電話番号、フリーダイヤル、メールアドレスを開設することの4点です。
しかし、この条件を満たしていても、出店商圏制度などにより加盟できない場合もあります。
7. LIXILのフランチャイズの将来性は?
日本の人口は2019年をピークに減少していくと予想されているため、不動産業界はそのような社会の変化に対応していく必要があります。晩婚化が進み、ファミリー向け物件の需要は減少、代わりに単身者用物件の需要が増えてくることが予想されます。
このように、消費者が不動産業界に求めるものが変化していく中で、取り扱う物件やビジネスモデルの変化も余儀なくされるでしょう。
現在、消費者が物件に求める一番のニーズは「安全性」です。しかし、中小のいわゆる「町の不動産屋さん」には、大手企業以上に消費者のニーズに応える力はないと考えられます。そのため、今後は小規模な企業は減少していくとみられています。
それらの小規模な企業に代わるのが、LIXILのような大手フランチャイズ企業の台頭です。そのような観点から、LIXILの将来性は今のところ明るいといえるでしょう。
8. LIXILのフランチャイズで独立開業する方法
LIXILは主に法人とフランチャイズ契約を結びます。しかし、個人で独立開業する場合にも人材育成から営業支援まで、手厚いサポート体制が準備されています。ここではLIXIL不動産ショップ、LIXIL賃貸ショップを例にとって独立開業までの流れを解説していきます。
LIXILへのフランチャイズ加盟に興味を持たれたら、まず資料請求を行い、フランチャイズ経営の概要を把握しましょう。その後、個別面談を行い、自身が持っている事業計画について、LIXILとフランチャイズ契約を結ぶことができるか確認します。
次に加盟申込書を提出し、LIXILによる加盟審査が行われます。この加盟審査を通過したら、集客力を高めるための市場調査などを行います。その後LIXILの担当者とともに事業計画を立て、加盟契約の調印式を行います。
契約が整ったら研修に参加し、事業の開始となります。
9. まとめ
ここまで、LIXILの会社概要やLIXILとフランチャイズ契約を結ぶことのメリット・デメリット、LIXILとフランチャイズ契約を結ぶことで利益があるのかといった点について詳しく解説してきました。LIXILとフランチャイズ契約を結ぶのは法人が多いのですが、個人で独立開業するための制度も整っているため、不動産業で独立開業を目指している方はLIXILとのフランチャイズ契約も視野に入れておくとよいでしょう。