うどん屋を開業する際にはどの程度の資金が必要なのでしょうか?また、どのような開業方法があるのでしょうか?うどん屋開業で黒字経営を成功させるコツなどを交えながら、うどん屋開業に関する情報をご紹介していきます!
はなまるうどんや丸亀製麺などのセルフ形式のうどん店を筆頭に、うどん屋と聞いてパッと浮かぶような人気チェーン店はたくさんあります。そんな数あるうどん屋の中からチェーン店ののれんを借りて運営するフランチャイズ形式、あるいは個人経営によってうどん屋は開業することができます。今回はそんなうどん屋を開業するための様々な方法をご紹介していきます。
もくじ
1. うどん屋に必要な開業資金
まず、うどん屋を開業するための資金としては平均して運転資金も含めると、1,200〜1,700万円ほどが必要です。初期費用としておおよそ700〜1,000万円ほど、そして運転資金の目安としては500〜700万円ほどです。そんな中でもどのような費用が具体的に発生するのかをみていきます。
1-1. 初期費用と内訳
まずうどん屋を開業するには物件探しから始めなくてはなりません。その物件所得費は700〜900万円ほどが必要で、開業後の月々の家賃としては10万円台くらいがベターでしょう。この平均的な物件取得費で得られる物件の広さとしては、15〜20坪、席数は20〜30席程度が目安です。
それに加えて内装を工事してうどん屋ができるように改造しなくてはなりませんので、さらに内装工事費として400〜600万円です。それに加えて開業準備費として、必要なものの仕入れやポスターやチラシなどの広告、制服代やアルバイト募集代などを含めて100〜200万円が必要になります。
この初期費用の中でも特に高く付くのが物件所得費ですので、うどん屋を開業する地域の値段やその広さなどによっても費用を抑えることが可能です。そういったことを含めて1,700万円程度の初期費用が必要になるというわけです。
1-2. ランニングコスト
ランニングコストとしてはうどんを作るための材料費、人件費、光熱費などが発生してきます。飲食業界においては特に人件費と材料費が変動しやすい傾向にあります。これらは店の規模によっても大きく異なってくるため具体的な数値がわかるというわけではありませんが、そのお店の売り上げの60%以内に抑えることが理想的とされています。
そのため、売り上げ目標を300万円に設定するのであれば、ランニングコストは180万円以内に抑える必要があるわけです。そもそもうどん屋の原価率は(売上原価/売上高)30.5%、人件費率は(人件費/売上高)29.5%が理想的とされています。
他の飲食店に比べるとうどん屋は高い比率となっているため、ランニングコストを減らすためには特に努力が必要になるでしょう
2. うどん屋の開業資金の調達方法
うどん屋を開業するとなって、誰しもが開業資金として1,700万円程度を用意できるというわけではありません。そこで融資制度を利用する必要があります。うどん屋開業の際に使用できるのは、日本政策金融公庫の生活衛生貸付というものです。この制度では設備資金として7,200万円以内の範囲で融資を受けることができます。基本的にはこの制度を利用して融資を受けることがオススメです。
さらに日本政策金融公庫では女性の経営者に向けては女性、若者/シニア企業家資金というサービスも取り入れています。これを受けられる条件としては30歳未満55歳以上の方が対象となっています。生活衛生貸付に比べると金利が優遇されているため、女性であれば是非こちらを利用することがオススメです。限度額としては7,200万円まで、運転資金としては4,800万円以内です。
そして新創業融資制度というものも併用して受けることができます。これは1,500万円以内であれば無担保、保証人なしで借り入れることができる制度です。保証人なしで借り入れる場合は保証人がいるときに比べると、金利が1〜2%ほど高くなってしまいます。これらの国が指定している融資制度を利用して開業資金を集めるようにしましょう。
その他の手段としては飲食店で良く利用されているような助成金や補助金を使うこともできます。開業した後にさらに資金が必要となった際には、キャリアアップ助成金というものもありますので開業後も安心して利用することができるでしょう。
3. うどん屋に最適な物件の選び方
いざうどん屋を開業するとなった際に、まずは物件を選ぶことから始めることになります。基本的な飲食店を始められるようなところであればどの物件でもできるのですが、特に大切なポイントが2つあります。物件選びに使える2つのポイントをこれからご紹介します!
3-1. 2つのポイント
居抜き物件を選ぶ
うどん屋を開業する際の費用のほとんどは物件に関するものです。そのため、なるべく物件所得費を安くするためにも居抜き物件がオススメです。
そもそも居抜き物件とは厨房や空調などといった設備などがそのまま残された状態で売られている物件のことを指します。居抜き物件は厨房や空調設備、さらに椅子やテーブルなどといったものまでが残されていることがほとんどです。もちろんその居抜き物件が前はどのようなお店を開いていたのかによって設備は異なります。
例えばバーをやっていた居抜き物件ですと、バーカウンターがあったりと、一般的なうどん屋を開くには少し不都合な部分があり、内装工事をしないといけなくなれば費用が余計にかかってしまいます。ところが、うどん屋あるいはそば屋などを営んでいたところから居抜き物件を借りることができれば、内装工事費を大幅に減らすことができるでしょう。
さらに飲食店を開けるような好立地だったということもあります。そのため少しでも費用を安くするために、同業を行なっていた居抜き物件を条件に探すことがポイントです。
立地や競合店をチェック
うどん屋をはじめとした飲食店を経営するのであれば、立地は大きな問題となります。やはり駅からのアクセスが良いところで、人通りが多い場所であれば立地はかなり良いですよね。
そのため飲食店を経営するにあたってチェックしておきたい立地条件としては、アクセスが良いことに加えて路面店であること、駐車場がわかりやすい位置にある、または作りやすい場所、さらに認知性が高く多くの人から見つけやすいところがオススメです。
このような条件の良い立地が見つかったら、次は競合店がその近くにあるかどうかをリサーチする必要があります。同じようにうどんを提供しているお店があれば競合店であり、長く続けていくにあたっては客足に伸び悩んでしまうことがあるかもしれません。同じぐらいの価格帯でうどん屋が近くにある場合は、新しくオープンしても新規顧客を得ることが難しくなると予想できるため避ける必要があるでしょう。
アクセスの良いような好立地の条件の場所はその分同じような競合店も多いと考えることができるため、しっかりとチェックすることを忘れないようにしましょう!
3-2. 契約時の注意点
先程からも何度も出てきているように、うどん屋を開業する際の資金面で最も高い比率を占めているのは物件取得費です。そのために物件の契約の際には資金の管理をしっかり行うようにしましょう。
基本的に店舗用の賃貸物件であれば100〜300万円という高額になっているケースが多くあります。もちろん立地や広さなどによって家賃は変わってくるものの、そこからうどん屋にするためにも内装工事費用がさらに発生します。そのようなことを配慮して、契約をする際には予算をしっかりと考えた上で、家賃がどのくらいの物件にするのかということを考えるようにしましょう。毎月払うものになり、ランニングコストの一部分にもなりますので慎重に検討することを大切にしましょう。
4. うどん屋のような飲食店ビジネスで黒字経営するコツ
うどん屋のような飲食店ビジネスで成功し、黒字経営をするためにはまずはお店のコンセプトを考えることが大切です。お店を長く続けていくにあたってコンセプトは重要です。方向性を事前に決めておくと、経営もしやすくなります。一般的なチェーン店のようなセルフのうどん屋にするのか、それとも居酒屋などと織り交ぜたうどん屋にするのかなど、その立地や客層なども考えた上で検討するようにしましょう。
コンセプトが決まったら次の問題は立地です。立地はお店の売り上げを左右するとても大切なポイントです。お客さんがたくさんくるような、また来やすいような場所で開業しなければ、いざお店をオープンしても意味がありませんよね。そのためにお店のコンセプトに合うような立地を考えて物件を探すようにしましょう。これらのポイントはうどん屋に限ったことではありません。お店の立地とコンセプト作りが経営成功の秘訣にもなりますので是非実践しましょう!
5. うどん屋の開業に成功した事例と年収
実際にうどん屋の開業に成功した事例として、普通のうどんを中心としたお店にするのではなく居酒屋とうどん屋の融合店での成功例をご紹介しましょう!
この例では、昼はオフィス街が近いこともありうどん屋を経営し、夜にはアルコールを提供した居酒屋を経営するという昼夜でお店の内容を変えた戦略でした。うどん屋と居酒屋といった要素が混じり合うことによって、売り上げをアップすることが可能になりました!うどん屋では平均単価が700〜800円ほどであるものの、夜は居酒屋にしてアルコールを提供することによってお酒とともにうどんを楽しむというお客さんが増えました。そのため1人でゆっくりとお酒とうどんを楽しむという方から、グループ客まで幅広い客層を取得することに成功しました。
この店が成功した理由としてはコンセプトをしっかりと固めていたことにあるでしょう。うどん屋と居酒屋という2つの顔を持つことで、他店との差別化を図ることができるためこのような結果になったのでしょう。
6. 失敗しないうどん屋の開業・経営方法の種類
うどん屋の開業方法には既存店のノウハウを元に経営していくフランチャイズ経営と個人経営とがあります。それぞれの違いに関してみていきましょう。
6-1. フランチャイズ経営
はなまるうどんなどの人気チェーンうどん店ではフランチャイズ経営を行っています。元々から知名度と人気のあるお店のノウハウを元に経営することができるため、経営が初めてという方でも比較的はじめやすくなっています。加盟金や月々のロイヤリティを支払わなければいけませんが、ノウハウを元に経営できるため集客がしやすく安定性があるというメリットがあります。
6-2. 個人経営
こちらは自分で物件探しから内装工事まで準備を全て行い、開業後も個人で経営するという方法です。一般的にお店を経営するとなると個人経営を想像されるかもしれません。研修などがないため特にお店の維持費や家賃以外は支払う必要がありませんが、その分ノウハウなどがあるわけではなく全くの個人戦であるため、経営がうまくいくかどうかは自分次第です。自由にできるという点では優れているため、新しいスタイルのお店を開業したいという方にはオススメです。
7. うどん屋の開業に必要な資格や許可
うどん屋に限らず飲食店を経営する際には保健所から食品営業許可が必要となります。さらに食品衛生責任者の資格や、店舗や建物全体の収容人数が30人以上の場合に限っては防火管理者選任届も必須資格です。
食品衛生士の資格は講習を受けることで取ることができ、さらに薬剤師、調理師、医師の資格があれば食品責任者になることも可能です。
そしてうどんの出汁に水を使うことになると思いますが、その場合に井戸水や湧き水を使用するという際には水質検査成績書も必要となります。中でも食品営業許可を得ずにお店を開業してしまうと、営業基準あるいは営業許可期間に関しての違反となってしまうため、罰金または2年以下の懲役となってしまう恐れがあります。許可の際には手数料が発生し、それは都道府県あるいは自治体ごとに異なります。申請をすることでお店への立ち入り調査が入るようになり、指定の条件を満たしている厨房かどうかを判断していきます。
8. まとめ
今回はうどん屋を開業する際にぜひ知っておきたいことをご紹介しました。うどん屋経営で成功させるポイントは、やはり立地がどれだけ良いかにかかっています。物件を探す際にはコンセプトを決めてどのような場所で開業するのかを詳しく考えていきましょう。