「少子化」が叫ばれる現代、学習塾業界は次々と新しい業態を模索し、常に進化し続けています。さほど認知度もなく、店舗数も未だ少数にも関わらず、フランチャイズ化して徐々に注目されている個別学習塾「s-Live」。一体どんな会社なのでしょうか?
テレビを見ていると、学習塾や家庭教師派遣のユニークなCMにふと目が止まります。この多くは「個別指導」を謳い文句にしています。学習塾に通うことのなかった世代にすれば、個別指導は「1名の生徒に1名の先生が付くの? マンツーマン?」なんて思ったりもします。実際には「2〜3名の生徒に1名の先生」が一般的ですが、今では個別指導を「オンライン」で実施する塾も出現しています。その個別指導塾の一つが「s-Live」なのです。
もくじ
1. フランチャイズ展開している個別指導塾s-Liveの基本情報
「s-Live」は静岡県に本社を置くLIVE株式会社が運営する個別指導塾事業です。個別指導塾である「s-Live」のほか、WEBを活用した家庭教師事業「e-Live」を展開しています。
一般の個人塾運営の悩みであった「生徒が集まらない」「講師が集まらない」の2つの点に注目。指導のオンライン化の実現により、フランチャイズ展開を実施、生徒募集と講師募集の手間とコストの問題を解消してきました。
この結果、フランチャイズ運営はオーナー1人でも実現可能となり、人件費や募集費を抑えることが可能となりました。LIVEが派遣するオンライン家庭教師には、東大生や京大生、医学生などトップレベルの人材が在籍しており、生徒募集に一役買っています。講師の手配に苦しむことなく、運営も1人でできることから、今人気の個別指導塾フランチャイズなのです。
2. 個別指導塾s-Liveのフランチャイズに関する口コミ・評判
多くの塾経営者を悩ます問題をクリアにしたことで、フランチャイズ加盟を検討する経営者が増えています。s-Liveのフランチャイズオーナーの多くは
「他のフランチャイズより加盟金が安い」
「他のフランチャイズでは本部の指示に従って運営をする必要があり、また立地が悪ければ開校できないこともあるのに、s-Liveは住宅街でも出店ができたり、内装も自由だったりと、経営の自由度が高い」
「出店しても生徒が来るのか心配だったが、生徒確保のサポートが充実していて安心できた」
という内容のコメントを多く残しています。
実際に、サポート面では開校時の相談対応だけでなく、生徒集客に特化した「開校総合サポート」「開校前研修」「集客サポート制度」「開校前教室運営支援」など様々なサポート体制が準備されています。
3. 個別指導塾s-Liveのフランチャイズは儲かる? 年収は?
フランチャイズ加盟することを検討する際に一番気になるのは「儲かるのか?」という点。各教室によって売上高が異なるため、平均的な数値を収益分岐モデル化し、儲かるか儲からないかを判断してみましょう。
まず、必要経費は「講師賃金」「システム・メンテナンス料」「テキスト代」「口座振込基本料」の項目で一律98,500円かかります。
さらに、店舗によって異なる通信費、水道光熱費、家賃、雑費の支出が別途かかります。仮に通信費1万円、水道光熱費を2万円、家賃を10万円、雑費1万円とした場合、固定支出と合わせて月の支出は238,500円となります。
そしてもう一つの固定支出「ロイヤリティ」は、教室数によって変動し、1教室の場合は売上の10%、2教室目以降8%、5教室目以降7%となります。
これをもとに1教室運営で、月謝平均単価25,000円の加盟店とした場合、
平均単価からロイヤリティ10%を差し引き、収益単価が22,500円。
月の支出が238,500円であることから、
238,500円÷22,500円=10.6人
つまり、約11名で収益分岐ラインに達します。
s-Liveの集客サポートは20名以上の集客を前提に実施されるので、オープン当初から収益が望めることになります。当然20名以上の生徒を集めたいと考えると思いますが、20名の生徒数で止まってしまっても約20万円の収益が得られる計算になります。年収でいえば約240万円というわけです。
あくまでも概算値ですので、これを下回ることはありますが、家賃がかからない「自宅兼用」となれば、収益分岐ラインがさらに下がることも考えられます。
4. 個別指導塾s-Liveにフランチャイズ加盟する4つのメリット
4-1. オンライン形式
s-Liveの特徴であるオンライン形式の個別指導と、塾経営経験のないオーナーでも安心できることが最大のメリットでしょう。これによってもたらされる効果は講師確保の不安がなくなること、1人経営が可能なため人件費、広告宣伝・人材募集費の削減につながることが挙げられます。
4-2. サポート充実
フランチャイズ加盟によるメリットは、運営ノウハウやブランドが得られることになりますが、なかには健全運営に向けたサポートがなされていない運営会社もあります。その点、s-Liveは開業前から開業後の様々なサポート体制が充実しています。目に見える効果が実感できるため、早期の収益化を目指すオーナーにとっては、懸念点が減ることにつながります。
4-3. 経営の自由度が高い
フランチャイズ経営は、加盟前には厳しい立地条件が、加盟後はフランチャイズ本部の指示に従い、店内造作や什器備品の指定を受けることがままあります。
s-Liveは出店エリアや内装・什器設備に特段の指定はないため、オーナーの意向にあった運営が実現できます。また内装等の指定もないため、手作りの机、書棚等の設置も可能なので、購入コストが抑えられるメリットもあります。
4-4. 初期投資費用・ロイヤリティが安い
通常、フランチャイズにかかる開業資金は高額です。しかしs-Liveの開業資金は数十万円で済むことに加え、ロイヤリティも他社と比べ低率です。実際には開業に向けた事業計画書等を確認した上で判断すべきですが、他社と比べても遜色ないコストであることは間違いありません。当たり前のことですが、初期投資が抑えられれば収益性も上がるため、加盟を検討するオーナーには魅力的な点と言えるでしょう。
5. 個別指導塾s-Liveにフランチャイズ加盟する3つのデメリット
5-1. ブランド力の低さ
他の大手フランチャイザーと比べ、店舗展開のスピードが早くありません。「あっという間に何店舗も出店」というスタンスの会社ではないため、認知度、ブランド力ともに低いといえます。ブランド力を活かした塾経営をしたい人には向かないでしょう。
5-2. コミュニケーションへの懸念
生徒にとってはゲーム感覚でオンライン授業を楽しめますが、昔ながらの面前形式の授業で感じ取れた、人と人とのコミュニケーションが希薄になる可能性があります。
5-3. 初期投資費用がかかる
自分で独立して学習塾を経営するのと比べ、費用面ではデメリットがあります。メリットで「初期投資費用が安い」と言いながら、費用がかかるというのも変ですが、今までこの業界で何年も経験を積んできた人、塾経営のノウハウがある人にとっては、あえてフランチャイズ加盟するメリットはありません。本部のサポートがしっかりしているとはいえ、その方針は画一的です。独自のスタイルで教育に携わりたい人にも、このコストは勿体無く感じるかもしれません。
6. 個別指導塾s-Liveのフランチャイズ条件・契約内容
s-Liveは、フランチャイズに加盟する契約の際「オーナーとしての条件」を重視する傾向があります。加盟金や初期投資コストが安くできることから「どなたでもどうぞ」のスタンスではなく、塾を成功させようとする気概、フランチャイズ本部との良質な関係構築、起きたことを他人のせいにしない、などというオーナーの資質面を条件に掲げています。その資質がなければ、面談の上加盟を断られるケースもあります。
契約内容は加盟の趣旨に応じて「Aタイプ(多教室展開)」「Bタイプ(1教室経営)」「Cタイプ(転塾支援)」「Dタイプ(加盟料無料)」の4つの契約タイプから選べます。契約期間は3年で契約更新時の更新料はかかりません。契約タイプによって加盟金等が変わり、Aタイプで加盟金90万円、Bタイプで60万円、C・Dタイプはともに0円となります。また、生徒募集方法もオーナーが選ぶことができます。
7. 個別指導塾s-Liveのフランチャイズの将来性は?
学習塾の未来を考える上でキーワードとなるのが「少子化」です。
「s-Liveのような事業は少子化の影響があるのでは?」と感じる人も多いと思いますが、実は少子化にも関わらず、塾の数は毎年のように増加している傾向があります。
その1つ目の要因が「個別指導」型学習塾の増加です。以前は「大勢の生徒に1人の講師」という図式の塾経営が、「生徒の学力に応じて個別に対応できる」図式へと変化しています。実際に少子化問題は深刻なものではありますが、塾経営は他の業界と比べると、経営に重大な影響を与えるものではありません。
2つ目は、少子化によって子供が減ったことで、1人にかける教育費が高くなった点にあります。子供がたくさんいた時代は、経済的な理由から塾に通わせる費用を捻出できなかったのですが、少子化の現代となっては「塾に通わせるのは当たり前」と言わんばかりに教育費がかけられています。
少子化時代とはいえ、学習塾、しいては個別指導塾の需要はまだまだ落ちることはないでしょう。
s-Liveの場合、この時流に乗って個別指導塾、そしてオンライン形式の指導を実現しているため、世の中が「AI」化していく時代の中でも、オンラインビジネスに対して柔軟な対応が期待できる点から、将来性は高いと言えるのではないでしょうか。
8. 個別指導塾s-Liveのフランチャイズで独立開業する方法
「s-Liveのビジネススタイルには共感が持てる」「s-Liveで独立開業したい」と感じた人のために、独立開業までの流れをまとめます。
①問い合わせ
s-Liveのホームページやフランチャイズ募集サイトで資料請求をします。
②説明会・個別面談・市場調査
フランチャイズ本部の説明会に参加し、自分の意図にあった内容であれば個別面談を行います。そして実際に出店するエリアの市場調査を行い、事業が成立するか確認します。
③加盟申込
面談・調査の結果、加盟を希望する場合、加盟申込を提出し、その意思表示をします。
④s-Live社長面談・加盟審査
<h3>⑤加盟契約・加盟金等支払
加盟審査等が通れば正式に契約手続きがなされます。
この一連の流れが独立開業するために必要な流れになります。加盟契約がなされれば、その後、塾の賃貸借契約、内装工事、チラシ作成、オーナー研修を経て、開講となります。
9. まとめ
学習塾、特に個別指導塾の需要はまだまだありそうです。個別指導塾「s-Live」のようなオンライン形式の指導方法は爆発的な情報化社会、IT時代だからこそ生まれたビジネスモデルといえるのではないでしょうか。今後はこのような指導方法を採用する学習塾が増えていくことは容易に想定できますが、いち早くそのシステムを導入したs-Liveは一歩先行く「ITベンチャー」といってもいいかもしれません。
とかく、ビジネスが軌道に乗った企業は販路拡大に向かいがちですが、s-Liveの姿勢はあくまでも「どなたでもどうぞ」ではありませんので、今後も学習塾業界において、シェアを大幅に拡大することは難しいかもしれません。しかし、誰でもフランチャイズオーナーになれる訳ではない点を逆手に取り、オーナーを厳選する姿勢、地道に実績を積み上げようとする方針が継続されれば、業界の中でも、ニッチなところで大きな需要を生み出す可能性を秘めているといえるでしょう。