ゴルフ好きでゴルフに関する経営をしたい方もいらっしゃるでしょう。ですがゴルフ練習場は開業資金が莫大です。そこで、気になるのがゴルフバーです。ゴルフバーの開業資金や黒字経営に導く方法について、取り上げていきます。
ゴルフバーとはバーチャルでゴルフを楽しみながら、飲食を楽しむ施設です。ゴルフが好きだけど、ゴルフ場の経営は敷居が高いという方でしたら、ゴルフバーの経営を検討されるのも良いのではないのでしょうか?
もくじ
1. ゴルフバーに必要な開業資金
もしゴルフバーの経営に関心があるという方であれば、最も気になるのは開業資金なのではないのでしょうか?
ゴルフが好きということであれば、真っ先に考えるのはゴルフ練習場の経営かもしれません。ですがゴルフ練習場は、土地購入から始めると基本的に億単位のお金が動きます。そのため、そのような潤沢な資金を準備するのは厳しいということもあるでしょう。
多くの場合、そのような経営をする時は融資を受けることが多いです。手元にお金がなくても、資金を準備することができます。
その一方で、やはり借り入れのお金は少ない方が良いのは言うまでもありません。
そこで考えたいのがゴルフバー経営です。ゴルフバーと言うと、バーチャルのゴルフを楽しむことと、飲食店がセットになっている状態です。
飲食店とバーチャルのゴルフが合わさった業態のお店はまだまだ数が少ないものの、参入している人が少ないことから成功するチャンス自体は大きいと考えられます。せっかくゴルフが好きで経営をしたいということであれば、是非検討してみる価値はあります。
そこで気になる開業資金ですが、バーのみで平均1,210万円、これにさらにシミュレーションゴルフを取り入れるので、機械代が1台につき300万円から350万円かかります。
どれくらいの設備を導入するかにもよりますので一概には言えませんが、だいたい2,000万円は超えると考えていた方が良いでしょう。
1-1. 初期費用と内訳
どのように備品を取り入れるかによって違ってきますので、初期費用を明確に数字にするのは難しいところがあります。
例えば、一から物件を確保することに比べて、居抜き物件を利用すれば物件を取得する費用を抑えることが出来ます。備品に関しても中古のものは安く購入することができます。そのため、費用はあくまで目安と考えた方が良いのは言うまでもありません。
物件の取得費用
まず第一にかかるのは物件の取得費用です。やはり人を集めるという意味合いでは、そこそこに栄えているところに構える必要があります。のどかで賃料が低いところに構えるのは、あまり現実的ではありません。
この取得費用は6ヶ月以上の賃料に相当する金額が必要です。
また、仲介手数料もかかり、だいたい賃料の1ヶ月分に相当することが多いです。そして、居抜き物件であれば譲渡代金もかかります。やはり物件によりけりそのため、ここは具体的な数字をあげるのは難しいところがあります。
内装工事費用
そして借りるにしても居抜き物件として取得するにも、内装を変える必要があります。こちらは坪単価でだいたい20万円から50万円ぐらいであることが多いです。
ゴルフバーは飲食店そのため、必然的に料理を提供することになるので厨房が必要になります。この厨房に関してですが、どれくらいのグレードにするのかなどにもよりますので一概には言えませんが、大体内装費の40%ぐらいかかる可能性があります。
あとは、どのようなお酒や料理を提供するかにもよりますが、これらの仕入れが必要になってきます。
広告宣伝費
飲食店を行うとき、多くの場合は広告をして色々な人に知ってもらう必要があります。
そのため、そのような広告宣伝費は初期費用として非常に重要な経費です。
最近はホームページなどで広告をする例もあり、比較的ハードルが低く広告をすることができます。このホームページ作成費は一概には言えませんが、その道のプロの方にお願いすると大体30万円から50万円ぐらいを見ておいた方が良いでしょう。
プロにお願いをしなくても出来るには出来ますが、多くの人に見てもらうにはSEO対策なども必要になってきますので、やはりお金を払ってでも、プロにお願いするほうが間違いないです。
設備費用
そしてゴルフバーの最も大きなところは、普通の飲食の他にも、シミュレーションゴルフの機械を導入するところにあります。
あるケースでは4台のシミュレーションゴルフを導入するという形で営業を始めているところがあります。
色々な機械があるので一概には言えませんが、良い機械となるとだいたい350万円ぐらいはかかります。
このような機械は、実際にその機械を利用してプレイする顧客の満足度を上げるところがあるので、あまり節約をしない方が良いです。
そう考えると、このシミュレーションゴルフの導入だけで、4台で1,400万円ぐらいは見ておいた方が良いです。
この他にも、飲食店だと食器を購入する必要がありますので、その費用も必要になってきます。
1-2. ランニングコスト
そして、初期の費用をかけても、経営していくとなるとランニングコストがかかってきます。では、その気になるランニングコストについてみていきましょう。
ランニングコストは、基本的に固定費と変動費に分かれます。
固定費に関しては賃料などが挙げられます。そして何かリースをしているということがあれば、そのリース代なども固定費として挙げられます。
多くの方は、そのような経営を始める際に融資を受けていることが多いです。その融資の返済の支払利息も固定費として挙げられます。
そして、変動費がかかります。飲食店を構えると、水道光熱費と販促費がかかってきます。それはゴルフバーであっても同じです。
また、ゴルフバーは飲食業でもあるので、仕入れなどもあります。大抵の場合は、人を雇っていることが多いので、人件費もかかります。
2. ゴルフバーの開業資金の調達方法
このようなゴルフバーを含めた飲食店の開業などについては、銀行などの融資もそうですが、初心者の方は日本政策金融公庫が一番良いです。
開業資金に関しては、銀行が良いと思われがちですが、もし経営初心者ということになると、貸し渋りがある場合があります。実績がない人にお金を貸して、焦げ付きがあることを恐れているのです。
今でこそベテランという人であっても、「初めての時」は必ずあったのです。
もちろんそのような融資を受けずに経営ができれば一番なのかもしれませんが、多くの場合は融資が必要になります。
ただ、このように日本政策金融公庫でお金の借入をしようと思うと、コツコツと貯金をしていたという実績の証明が必要であることが多いです。
そして飲食店を始めるということになると、そのような飲食業界のマネジメントをしていたというような実績が欲しいところです。
もしゴルフバーの経営を考えているということであれば、独立する前からそのような実績を積むことを考える必要があります。
3. ゴルフバーに最適な物件の選び方
では、次にゴルフバーに最適な物件の選び方についてみていきましょう。
3-1. 2つのポイント
物件選びは非常に悩ましいところですが、大まかに2つのポイントがあります。この2つのポイントについて掘り下げていきましょう。
繁華街で人通りが多い
ゴルフパーは、ゴルフがあるとはいえ、基本的に飲食店とほとんど変わりはありません。
飲食店と同じ観点で選ぶことが、成功の近道です。基本的に飲食店に関しては、よほど味に自信があって行列ができるようなお店でない限りは、アクセスしにくい所は避けるべきです。
多くの場合はアクセスしやすい所を選ぶことが多いです。
ゴルフバーに関しても、繁華街を選んだ方が良いのは言うまでもありません。飲食店に関してはふらっと歩いていて、たまたま見つけたという理由で入ることもありますので、繁華街で人通りが多いところの方がチャンスに恵まれていると言えます。
店舗の広さ
もちろん、ゴルフ練習場のような大きな土地は必要ありません。そのような点からも、ゴルフが好きな人が経営を始めやすいのはゴルフバーであるとも言えます。
その一方で、あまりにも狭すぎるというのは考えものです。飲食店だけだと非常に狭いところもあるにはありますが、シミュレーションゴルフを入れるだけでひとつにつき5坪程度は必要です。
そしてできれば個室などがあったほうが、利用者の方に好まれるところがあるでしょう。そのようなことを加味して広さを決めていく必要があります。
3-2. 契約時の注意点
ゴルフバーでもフランチャイズ経営をしているところがありますが、あまり浸透していないと言えるでしょう。そのことを踏まえて契約をするときは、きちんと説明を聞き不明な点は残さないようにしましょう。
4. ゴルフバーのような飲食店ビジネスで黒字経営をするコツ
ゴルフバーと言うと、なんだか特別な気がするかもしれませんが、基本的に飲食店と同じで、飲食店にゴルフという要素が加わった状態です。
飲食店と同じく基本的にアクセスしやすいということを重視することも大切です。お客様が確固たる目的を持って行くということであれば、少々のアクセスの悪さは目をつぶるところがありますが、飲食店だとやはりアクセスが命というところがあります。
黒字経営を目指すのであれば、ひとまずはアクセスのしやすさを目指すことが大切です。
売上をたくさんあげるということも大切なのですが、それと同時にランニングコストなどの経費をいかに少なくするかということも大切です。中には少々コンパクトなゴルフバーにして、従業員を2人だけにしているという事例もあります。
この従業員に関しても、基本的に飲食に関してのサービスを行う人と、シミュレーションゴルフの機械のことについて説明する店員とで分けているということがあります。
人件費は最も経費がかかるところです。昨今はリストラなどもありますが、その理由としては人件費が高いからというのもあります。少ない人数で回すことができれば、経費は自ずと減ります。
このように、売り上げを上げ経費を減らすということが黒字経営のコツです。
5. ゴルフバーの開業に成功した事例と年収
ゴルフバー以外にも様々なところでシミュレーションゴルフは導入されています。1台のシミュレーションゴルフを導入したときの収益例として、1日1打席、4時間稼働したとしたら年間で300万円の純利益が出ると言われています。この純利益で大まかな収益を予想することはできます。
ゴルフバーでは大体4台から5台導入されることが多いです。年間で1200万から1500万円の純利益が見込めます。
一般的なバーの平均的な純利益は年間約300万円です。経営が順調になると、年間1500万円から1800万円の利益が出る可能性があります。
シミュレーションゴルフ、そして通常のバーの事例をもとに考えると、複数の店舗を運営して全ての店舗で黒字を出すことができれば、年収1,000万、あるいはそれ以上は夢ではなくなります。
ただこのジャンルに進んでいる方は、まだ多いとは言えず、成功した事例があまり多くないことが実情です。
しかし考えようによっては、新しいことに飛び込んで行くことによって、アーリーアダプターのような形で成功する可能性もあるということです。
6. 失敗しないゴルフバーの開業・経営方法の種類
必ず失敗しないのは難しいところがありますが、極力失敗しないようにするということは可能です。そのためにも経営方法などを考えていく必要があります。
ではどのような方法が失敗が少なく済むのかということを考えていきましょう。
6-1. フランチャイズ経営
一番のおすすめは、フランチャイズ経営の傘下に入ることです。フランチャイズ経営として募集をしているということは、既に成功のノウハウがあるということそのため、そのノウハウを借りながら経営していくというのが、最も失敗が少ないと言ってもいいでしょう。
もちろんフランチャイズ経営とはいえど、その経営者の手腕が問われるところはありますので必ずというわけではありませんが、すでに成功している人の傘下で経営をしていくということは失敗が少なく済む可能性が大きくなるのです。
そのため、もしゴルフバー経営初心者ということであれば、そのようなゴルフバーの経営を手掛けているフランチャイズ経営の傘下に入ると良いでしょう。
6-2. 個人経営
フランチャイズに入るのが一番とはいえど、まだまだフランチャイズの種類も多くはありませんので、目ぼしいフランチャイズがない場合は個人経営という形になります。
個人経営ということになれば、基本的に全てを自分の力でやっていかなくてはいけません。できれば居抜き物件を使ったり、備品は中古で揃えるなど、初期費用を抑えましょう。
もちろんそこそこに売り上げが上がらないと、いくら初期費用を抑えてもどうにもならないところはあります。
ただ初期費用を使ってから回収するまでの道のりが短い方が、成功しやすい所がありますので、極力そのような経費を抑え、人通りが多い物件を選ぶなどでアクセスしやすい所を選ぶようにしましょう。
7. ゴルフバーの開業に必要な資格や許可
ゴルフバーは基本的に飲食店そのため、飲食店の資格を取る必要があります。では必要な資格や許可についてみていきましょう。
まず、飲食店を経営するには、食品衛生責任者の資格、食品営業許可申請が必要です。
店舗もしくは建物全体の収容人員が30人以上であれば、防火管理者選任届が必要です。
午前0時以降の営業も考えているのであれば、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書も必要です。
インターネット上でもこのような情報はありますが、一番確実なことはその道のプロに確認することです。そのため、ゴルフバー経営をお考えであれば、飲食業界に詳しい税理士、飲食関係の専門家への確認は必ず行いましょう。
8. まとめ
ゴルフバーは比較的新しいバーの業態であることもあってあまり事例が多くなく、足を踏み入れるのに少々勇気がいるところもあるでしょう。しかし、そんな新しいジャンルにこそチャンスが隠れているというのもまた事実です。
新しいジャンルの業態には、思い切って飛び込んでみるというのも一つの選択肢だと言えるでしょう。